2020516日 旅立たれた小林康浩さん(享年52)

「心 か ら  あ り が と う・・・。」

2020815

  仙台合唱団

 

<指揮>小林康浩(作曲家)…ホームページに掲載していた紹介文

 宮城県内をはじめ全国各地の依頼を受けて、合唱指導や伴奏(ピアノ・ギター)、作曲、編曲など幅広く活動中。

 また、音楽雑誌に記事を連載するなど、知識豊かで独創的な文章に読者も多い。

 ユーモアあふれる的確な比喩で、楽曲と歌い手の力を引き出す指導は魅力的で、団員から大きな信頼を得ている

 また、歌声喫茶での楽譜なしの伴奏や、即興のピアノ演奏も好評で、ピアノ伴奏目当てに参加する人も多い。当団 は、1997年よりご尽力頂いている。

        

 著書:「小林康浩作品集ー平和を語り継ぐ三部作ー」

    小林康浩編曲集「人間の歌」「幕開けの歌」「ふるさとの山影」「ヨイトマケの唄」

    CD:小林康浩編曲・監修によるCD「ふるさとの山影」等

 

 ◇仙台合唱団は19973月、旧仙台合唱団から再出発しました。

再出発した仙台合唱団は「うたごえの店バラライカ」のスタッフとして活躍されていた小林康浩さんと1996年に出会い、以来「作曲家小林康浩」さんを団の指揮者、合唱指導者として、ピアノ、、作曲、作詞、補作詞、編曲など、団のあらゆる音楽づくりを支えていただいてここまで歩んで参りました。

 

◇再出発後の合唱団と小林康浩さん。

団員ひとり一人の個性を活かして!という思いをもっていらした小林康浩さん。仙台合唱団はそんな指導者に導かれ、月6回の練習、年4回の市民歌声喫茶、震災後の支援活動として被災地を訪問しての歌声喫茶、様々な場所での出演、とりわけ多賀城市育成会の成人を祝う会では障がいを持っている方とのコラボを心から楽しんでいたことは私たちの励みでもありました。20185月まで、12回に及ぶ演奏会等、ご来場のお客様と共に楽しめるステージング、創作に取り組む団員への援助などすべての取り組みの場面ではいつも自然体で、あたたかく優しく指導していただいておりました。

合唱の表現やその力量を高めるため少し高めの目標も示され、励ましていただいたことも私たちには「音楽をする喜び・楽しさ」として心に焼き付いております。そして沢山の「うたの仲間たち」にも出会わせて頂きました。

 

◇小林さんのうたごえ未来図。

小林さんは「いずれ未来を担っていくのは若い人たちである」との考えのもと、『仙台合唱団・若星Z☆わげすた~づ』への思い入れは強く、月2回の練習、アカペラ講座講師活動、若星Z☆のコンサート、レコーディングの取り組みなどを通して、お兄さんのような、お父さんのようなまなざしで、どこまでもあたたかく優しく導き、見守り、メンバーの力を引き出すための心遣いを最後まで示してくださいました。

老若男女の仙台合唱団でなければ醸し出せないうた、若い人も一緒に歌えるいわゆる「うたごえ」の歌を団員と共に探し、編曲に取り組むなど、ちょっと古い歌も、ちょっと若い人向けの歌も、結局「これが人生!」「急がないで自分らしさを求めて生きる事って大事!」「仲間の大切さ!」「幸せになる歌を!」「平和が一番!」そのようなうたを一緒に歌えるようにと作品作りに取り組んでくださっていました。

 

◇5月16日の事実を受け止めきれないまま・・・そんな私達に・・・

事実を受け止めきれないまま、献花式の準備をしていた517日、小林さんが「師匠と呼べる唯一の人」とおっしゃっていた師匠・山本忠生さんから私たちは「これまで小林さんから何をもらい、受け取ったのかを振り返ってみて、それぞれが思い返し整理してみる。そうすればきっと進むべき方向ややるべきことが見えてくるんじゃないかな」との言葉をいただきました。受け止めきれないけど、目が覚めたような気持ちでした。

 

◇二重の苦しさと辛さの中から・・・「小林さんの作品をうたおう!」。

コロナ禍で練習が休みとなっていた苦しみに追い打ちをかけるような小林さんのこと、その辛い事実。それから2か月たった719日、私たちは、上野華純さんのお力添えも有り、「やっぱり小林さんの作品をうたおう!」とようやく市民センターを借りて練習を再開しました。上野さんが団の合唱指導とピアノの役割を引き受けて頂いたことも「練習再開」に向けて背中を強く押してもらいました。ありがとうございます。

歌い始めた時、楽譜には小林さんが練習で注意してくださった言葉がたくさん書き込まれてありました。その時、指揮の場所に小林さんがよみがえって見えました。*練習曲は団のホームページ『練習日誌』をご覧ください。

しばらくは、小林さんから受け取ったものを確かめ、進むべき方向、やるべきことを考えてコロナ禍の時間を過ごしていく所存です。

 

◇小林さんと共にすでに構想を練っていた『第13回演奏会』を迎える日・必ず。 それまでは・・・。

「私たちには無理かも!」と思っていたコロナ禍における「リモート練習」「リモート会議」にも挑戦中!です。コロナが収束するまで、団員みんなでつながり「今、できることはこれだ!」を探しながら仙台合唱団の歴史を創造していきます。

ホームページに.立ち寄って頂いた多くのみなさん、どうぞ今までと変わらない応援をよろしくお願いします。

◇小林さん  ありがとうございました。

団員にとって、小林さんと共に過ごしたすべての時間は、かけがえのない、思い出に残る幸せな時間でした。ありがとうございました。しばらくはゆっくりお休みしていてください。

小林さんの変わらぬ笑顔が、いつかさらに輝く笑顔で私たちの前に居てもらえるよう歩いでいきます。見守っていてください。本当にありがとうございました。

                                               前団長 珍田洋子